フランカーという生き方——大学ラグビーを見て思い出す、あの夜の語り がんばれ!6番
みなさんこんにちは!お口の健康から全身の健康を創造する医療法人ユナイテッド理事長上原亮です。
12月20日大学ラグビー選手権の準々決勝が熱戦を繰り広げている。年末が近づくと、この大会の熱気と歓声が冬の空気に混じり、毎年のように青春の記憶を呼び覚ます。
スクラムのぶつかり合い、スタンドの応援歌、そして泥だらけのジャージ。その光景を目にするたび、かつて当院に勤務していた三人のラグビー部出身の歯科医師たちの顔が浮かぶ。
バックス2人、そして「通好みの」フランカー
その3人は、大学はそれぞれ違ったが、みな歯学部ラグビー部の選手だった。
スクラムハーフ、スタンドオフ、そしてフランカー。

教えてラガマルくんHPより
スクラムハーフとスタンドオフは、まさに花形ポジション。
チームを動かす頭脳であり、観客の目を惹く華やかなプレーヤー。
教えてラガマルくんによると、スクラムハーフはサル スタンドオフはチンパンジー フランカーはゴリラ だそうな!
9番スクラムハーフと10番スタンドオフは試合の流れを読み、ボールを操り、時には自ら切り込む。
彼らのプレーは、歯科臨床でいうなら、まるで術者の繊細なタッチのようだった。
一方で、6番と7番フランカー。

特に“ブラインドフランカー”というポジションは、ラグビー通の間では「渋い」「わかる人にはわかる」存在だ。と元勤務医のフランカーは力説していた。
目立たないが、試合の勝敗を左右する影の要。相手の動きを読み、味方を支え、泥臭くボールに絡む。彼らがいなければ、どんな華やかなアタックも形にならないんだそうな。元勤務医説。彼がラグビーを語りだすと熱かったなぁ(笑)!
あの夜の居酒屋で——「ブラインドフランカーの矜持」
ある夜、勤務医たちと居酒屋で飲んでいたときのこと。
背が高く、理論派だったそのフランカー出身の勤務医が、酔いも手伝って語り出した。
「ブラインドフランカーっていうのは、相手の視界に入らないところで仕事をするんです。表に出ない。けど、相手の10番(スタンドオフ)を潰すのは自分の仕事。オープン側の7番は目立つんですけど、6番が強いチームが絶対に強いんです!ラグビーはフォワードなんです!ヨーロッパのチームではフランカーは主将をやるんです。
バックスが自由に動けるのは、俺たちがその前で地味に働いてるからなんですよ。」
「熱いやつだなぁ!」
テニス部だった私とK医師、バスケ部だった後輩のN医師、日本拳法部だった後輩のY医師は笑ってグラスを合わせた。
実際、彼は今システムとして発展した当法人の訪問診療のチームを作ったと言っても過言ではない。
その夜の話題は、いつの間にか「チームとは何か」「支えるということ」へと変わっていった。
私はその会話を聞きながら、「歯科医院も同じだ」と感じていた。
表に立って治療方針を説明するのは院長やリーダーかもしれないが、その裏で支えてくれるスタッフ——まさにフランカー的な存在——がいなければ、医院は回らない。
ブラインドサイドの戦略性
ラグビーにおける「ブラインドサイド」とは、スクラムを組んだときに狭い方のサイド。相手から見えにくく、スペースが限られている。

このポジションのフランカーは、まさに“戦略的な影の仕事人”。
反則ぎりぎりのスピードで相手に圧をかけ、瞬時にボールに絡み、チームのリズムを作る。
彼らの存在があるからこそ、オープンサイドの華やかな展開が生まれるのだ。
歯科医院の現場にも似ている。
たとえば、訪問診療やメンテナンスの現場では、目立たずとも確実に患者さんを支えるスタッフがいる。
治療の流れを乱さず、危機を未然に防ぐ。
それは、まさに“ブラインドサイドの守護者”だ。
千葉で開業した、かつてのフランカーへ
あの夜熱く語っていた彼は、今は千葉で開業している。うちでの在籍は5年と短かったが、今は院長として夜遅くまで診療していると聞く。
患者さんのため、スタッフのため、ひたむきに頑張る姿勢は、あのブラインドサイドで相手に食らいついていた姿そのままだ。
彼が開業する時、真という書を送った。まっすぐにN先生らしく突き進んでほしいとの願いを込めて。
花形ではなくても、チームを支える誇り。
それがブラインドフランカーの魂であり、彼の生き方そのものなのだろう。
チーム医療の中の「見えないヒーロー」
大学ラグビー選手権を観戦しながら、私はふと医院の仲間たちを思い出す。
チェアサイドで動きを読み、衛生士を支える助手。
忙しい時も笑顔を絶やさない受付。
そして夜遅くまで記録をまとめてくれるスタッフ。
彼らこそが“うえはら歯科のフランカー”だ。
ラグビーも歯科も、チームワークの世界。
誰かが目立つためには、誰かが見えない場所で動いている。
その関係が美しいと思う。
結びに——ブラインドフランカーに敬意を
派手さはない。
けれど、確実にチームを支え、戦況を変える。
ブラインドフランカーというポジションは、人生にも通じる哲学を教えてくれる。
人に見えないところでどれだけ準備し、どれだけ支え続けるか。
それこそが、真のプロフェッショナリズムではないだろうか。
千葉で頑張る、あのフランカー出身の元勤務医に、心からのエールを。彼の成功を心から応援している!
いつかまた、一緒に乾杯できる日を楽しみにしている。
——その時は、ブラインドサイドの話の続きを聞かせてほしい。

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