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80歳で27本の歯――饅頭屋さんの娘さんが教えてくれた「予防」の本当の価値

みなさんこんにちは!お口の健康から全身の健康を創造する医療法人ユナイテッド理事長上原亮です。

本日、訪問診療に伺った際、とても印象に残る患者さんがいらっしゃいました。



80歳の女性。なんと現在も27本の歯が残っているとのこと。

その方は、饅頭屋さんの娘さん

「甘いものに囲まれて育ったのでは?」と思いきや、口から出た言葉は意外なものでした。

「両親はね、あんこの味見を仕事で毎日していたから、

早くから総義歯になったんですよ。

それを見ていたから、私は甘いものをほとんど食べなかったんです。」

静かに、しかし誇らしげに語られたその一言に、予防の本質がすべて詰まっていると感じました。


ステファンカーブが示す「失われ方の法則」

歯科医療の世界には有名な概念があります。

**ステファンカーブ(Stephan curve)**です。

これは、

  • 糖質を摂取する

  • 口腔内の細菌がそれを代謝する

  • 歯垢(プラーク)内のpHが急激に低下する

  • 一定時間、歯が脱灰される

という流れを示したグラフです。

重要なのはここ👇

「どれだけ甘いものを食べたか」よりも

「どれくらいの頻度でpHが下がるか」

つまり、

  • ダラダラ甘いものを口にする

  • 間食が多い

  • 砂糖入り飲料を習慣的に飲む

これらは、歯が修復される時間を与えません

饅頭屋さんのご両親は、仕事柄どうしてもこのカーブを何度も何度も描かざるを得なかった。

一方、娘さんはそれを“見て学び”、生活習慣そのものを変えた。

ここに、最高レベルの予防教育があります。


80歳で27本残る人が「特別」なのではない

この患者さんは特別な歯ブラシを使っていたわけでも、

高価な治療を受け続けていたわけでもありません。

・甘いものを控える

・だらだら食べない

・定期的に歯科を受診する

極めてシンプルな選択の積み重ねです。

実際、厚労省のデータでも

**「定期的なメンテナンスを受けている人ほど、残存歯数が多い」**ことは明確に示されています。

80歳で20本以上の歯を保つ「8020達成者」は、

  • 定期受診

  • 生活習慣管理

  • 早期対応

を実践している割合が高いことがわかっています。


歯のクリーニングは「掃除」ではなく「未来への投資」

 

歯のクリーニング(SPT・メンテナンス)は、

単なる汚れ落としではありません。

  • ステファンカーブを描かせにくい環境をつくる

  • 歯周病・むし歯の芽の段階で止める

  • 生活習慣を一緒に見直す

ための予防医療です。

セルフケアだけでは落とせない歯石やバイオフィルムは、

放置すれば確実に将来の歯を奪います。


うえはら歯科の予防歯科が大切にしていること

呉市の歯医者

うえはら歯科呉総合歯科矯正歯科では、

  • 担当歯科衛生士制

  • エアフローを用いた低侵襲SPT

  • リスク評価に基づく通院間隔設定

を通じて、「治療しない未来」を支えています。

特に高齢期においては、

  • 噛む力

  • 飲み込む力

  • 口腔清掃能力

これらを総合的に守ることが、健康寿命の延伸につながります。


まとめ|予防は、知識より「選択」

80歳で27本の歯が残っている饅頭屋さんの娘さん。

その歯は、偶然残ったものではありません。

  • 親の姿を見て

  • 科学的に正しい選択をし

  • それを80年続けた結果

です。

歯は一気に失われません。

ステファンカーブの小さな積み重ねが、

ある日取り返しのつかない差を生みます。

「今は大丈夫」

ではなく、

「今から守る」。

それが、予防歯科の本質です。





未来の歯は、今日の選択で決まります。

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