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「歯周病はAIで治せない?国際歯周内科学研究会とアジスロマイシン」

歯周病治療はAIでは完結しない──人が関わる医療の本質

 

みなさんこんにちは!お口の健康から全身の健康を創造する医療ユナイテッドうえはら歯科の上原亮です。

Z世代の就職がAiに奪われているという記事がネットで出ていました。

記事Aiに奪われるZ世代の就職

デイリー新潮

 

今回はAiでは解決できない人の手が必要な医療の現場についてブログを書きました。

 

「歯茎が日常的に痛み、大きく腫れあがっている」

「歯磨きをしていたら出血する様になってしまった」

こうした症状で来院される方は決して少なくありません。原因の多くは歯周病です。

国民病ともいえる歯周病ですが、実は治療法は年々進化しており、中でも注目されているのが歯周内科治療と呼ばれるアプローチです。今回は国際歯周内科学研究会の取り組みや、抗菌薬アジスロマイシンを用いた治療、そして「AIだけでは解決できない医療の価値」について解説します。


歯周病とは?その基本をおさらい

歯周病は細菌感染による歯茎の炎症であり、放置すれば歯を失うリスクが高まります。主な症状は以下です。

  • 歯肉の腫れ・出血

  • 口臭の悪化

  • かたいものが噛みにくい

  • 朝起きたときの口のネバつき

成人の約8割が何らかの歯周病に罹患しているといわれ、まさに国民病です。


国際歯周内科学研究会と「歯周内科治療」

従来の歯周病治療といえば、歯石除去や外科的処置が中心でした。

しかし、**国際歯周内科学研究会(IAP: International Academy of Periodontal Medicine)**が提唱する「歯周内科治療」では、細菌検査を基盤に個々の患者に合わせた薬剤療法を行います。創始者の生田先生が「歯科の歯周病はいつまでも器械的除去だけで、なんかいい薬ないのか?」とお兄様である医師に言われたことが最初で偶然発見したと言われてました。

その代表格がアジスロマイシンという抗菌薬です。

少量・短期間の投与で特定の歯周病菌に高い効果を示し、従来治療では改善しにくかったケースでも成果を上げています。

国際歯周内科研究会のミッションは「世界中の人々の、お口の健康の為に最善で最良そして痛みの少ない治療方法の開発の為に日夜研究する」です。


歯周病治療の3ステップ

  1. 検査

    • 細菌検査で原因菌を特定

    • 患者ごとに異なる口腔内環境を把握

  2. 薬剤治療(アジスロマイシン+専用薬剤)

    • 細菌に合った抗菌薬を服用

    • 専用歯磨き剤で菌を抑制

  3. アフターフォロー

    • 定期的なプロフェッショナルケア

    • 再発防止のための継続的な口腔衛生指導

こうした検査→薬剤→フォローの流れが、歯周内科治療の大きな特徴です。

歯周内科の流れ うえはら歯科チャンネルYouTube


AIでは治せない「人が必要な医療」

近年、生成AIが急速に広まり、多くの仕事がAIに置き換えられています。実際、アメリカでは「就職氷河期」が再来しつつあるとの報道も。

ニューヨーク連邦準備銀行の調査では、22〜27歳の大卒者の失業率は5.8%。全体の失業率(4.0%)より1.8%も高く、過去最悪の差となりました。

特に驚くのは「コンピューターサイエンス」専攻者の失業率が6.1%、「コンピューター工学」が**7.5%**と、むしろ哲学専攻(3.2%)よりも高かったという事実です。

これは「AIを作る側の人材ですらAIに仕事を奪われている」ことを示しています。

しかし、歯周病治療はどうでしょうか?

AIは検査データを解析する補助には役立ちますが、患者さんの生活背景や体調、全身疾患との関連を読み取り、心を配りながら治療を進めることは人間の歯科医師・歯科衛生士にしかできません

まさに、AI時代だからこそ「人が必要な医療」の価値が再認識されています。


歯周内科とアジスロマイシンの臨床効果

研究報告によれば、アジスロマイシンを併用した歯周内科治療は、

  • 歯周ポケットの深さの改善

  • 出血率の低下

  • 口臭の減少

といった効果が見られます。

当院でも、従来の外科一辺倒の歯石除去やルートプレーニング、FOPとよばれる処置だけでは改善しなかった患者様が、アジスロマイシン服用後に劇的に改善したケースを数多く経験しています。

うえはら歯科歯周病治療


定期的なケアの重要性

歯周病の原因菌は「かび菌」を含め口腔常在菌であるため、完全除去は不可能です。

だからこそ定期的な検診・クリーニングが再発防止に不可欠です。

「一度治ったから大丈夫」ではなく、「治った後も継続的に守る」姿勢が健康寿命を延ばすカギです。


まとめ:AI時代にこそ「人と人をつなぐ医療」を

  • 歯周病は国民病だが、歯周内科治療+アジスロマイシンで改善が期待できる

  • AI時代でも、人間にしかできない医療判断とケアが不可欠

  • アメリカの若者失業率上昇は、AI依存のリスクを示唆している

  • 医療は「人と人の関わり」があってこそ成立する

当院では国際歯周内科学研究会認定の歯科衛生士による細菌検査・薬剤治療を行っています。

「歯茎の腫れや出血が気になる」「口臭が改善しない」などの症状をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。


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