「整形外科で骨粗鬆症の薬が急増?ポジションペーパー2024年と歯科から見たリスク」
みなさんこんにちは!お口の健康から全身の健康を創造する医療ユナイテッドうえはら歯科の上原亮です。
整形外科で骨粗鬆症薬が増えている理由
最近、整形外科で骨粗鬆症の薬や注射を勧められたという患者さんが多くなっています。
なぜ今、骨粗鬆症治療が急に広がっているのでしょうか?
その背景には大きく3つの理由があります。
高齢化と国策
大腿骨骨折や脊椎骨折は寝たきり・介護の大きな原因です。国は「骨折予防」を重点施策とし、骨粗鬆症治療を推進しています。ポジションペーパー2024年
日本骨粗鬆症学会などの最新指針(ポジションペーパー)では「骨折既往がある患者には積極的に薬物治療を」と推奨。整形外科現場で治療が増える理由です新しい薬の普及
半年に1回の注射(デノスマブ:プラリア®)や月1回の注射(ロモソズマブ:イベニティ®)など、継続しやすい薬が登場しました。
ポジションペーパーとは何か?
ポジションペーパーとは、現時点の科学的根拠を整理し、学会が立場を示す文書です。
たとえばAAOMS(米国口腔顎顔面外科学会)のポジションペーパーは、薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)の診療における国際的な基準となりました
顎骨壊死配布 AAOMSポジションペーパー
しかし、これは「万能の答え」ではありません。患者さん一人ひとりの状況をすべて保証するものではなく、あくまでガイドラインの一種にすぎないのです。
うえはら歯科での対応パターン
呉市のうえはら歯科では、整形外科で骨粗鬆症治療を受けている患者さんに対し、以下の流れで対応しています。
1. 投薬の確認
ビスホスホネート(アレンドロネート、リセドロネート、ボンビバ®)
デノスマブ(プラリア®、ランマーク®)
骨形成促進薬(テリボン®、イベニティ®)
特にBP注射薬やデノスマブは顎骨壊死のリスクが高いとされています。
2. 抜歯や外科処置の工夫
顎骨壊死配布
術前にアモキシシリンを内服し、血中濃度が高い状態で抜歯
周囲の腐骨や鋭縁をラウンドバーで除去
ナイロン糸で閉鎖縫合
術後に抗菌薬服用と口腔ケア
プラリア®では投与4か月後に抜歯を計画し、次回投与前に治癒確認
3. 患者さんへの丁寧な説明
「内服BPでは100人に0.5人未満の割合で顎骨壊死が起こる」
「薬を中止すると骨折リスクが大きく上がる」
「どちらを優先するか一緒に考えましょう」
こうした数字と実例を示し、最終的な意思決定を患者さん自身ができるようサポートしています。
政治パロディ:「丁寧な説明」とは?
自民党総裁選で政治家が連呼する「国民に丁寧な説明を」というフレーズ。
でも実際には「検討します」「真摯に受け止めます」で終わることも多いですよね。
骨粗鬆症治療でも同じで、
「骨折を防ぐために薬を使います」とだけ言われても患者さんは納得しません。
副作用リスクと歯科的注意点まできちんと説明して初めて、真の「丁寧な説明」になるのです。
結論:丁寧な説明こそが信頼につながる
整形外科で骨粗鬆症薬が急増している背景には、国策、学会方針、新薬の普及があります。
そしてポジションペーパーは臨床家の羅針盤ですが、最終的には 患者さんに丁寧に説明し、納得して選んでもらうこと が最も重要です。
うえはら歯科では、
投薬内容を正確に把握し
外科処置時の工夫を徹底し
患者さん一人ひとりにわかりやすく説明する
この姿勢を大切にしています。
「政治家のような丁寧な説明」ではなく、
「本当に伝わる丁寧な説明」こそが医療者の使命だと考えています。
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