グラフトレスインプラントという原点回帰 ― 林揚春先生の最小侵襲哲学と、ホームグランドに戻った理由
2026.2.2
みなさんこんにちは!お口の健康から全身の健康を創造する医療法人ユナイテッド理事長上原亮です。
― 最小侵襲の思想と、師と仲間に導かれて ―
インプラント治療の進化は、「より強く」「より早く」という時代を経て、いま確実に**「より優しく」「より侵襲を少なく」という方向へ舵を切っています。その象徴ともいえるのがグラフトレスインプラント**です。
グラフトレスとは、骨造成(GBRやサイナスリフトなど)を極力行わず、今ある骨を最大限に活かすインプラント治療の考え方。患者さんにとっては、
手術侵襲が少ない
腫れや痛みが抑えられる
治療期間が短い
という、非常に大きなメリットがあります。
この思想を日本で一貫して提唱し続けてこられたのが、私のインプラントの師匠である**林揚春**先生です。
林揚春先生という存在
― 「削らない・足さない」哲学 ―
私が若い頃、白鵬社のHAインプラント全盛期に、林先生を師匠として心から尊敬し、インストラクターとしてもお手伝いさせていただいていました。
当時から林先生が一貫しておられたのは、
「患者さんに低侵襲」「NO-GBR」
という姿勢でした。

インプラントはテクニックではなく思想である。
その教えは、今も私の臨床の根幹にあります。
林門下生としての「ホームグランド感」
2026年2月1日、東京で**名護先生**のベーシックセミナーを受講してきました。
名護先生もまた、林揚春先生の門下生。グラフトレスの思想を現代的に洗練させ、臨床に落とし込んでおられます。
さらにその2週間前には、**中山先生**のアドバンスセミナーを受講しました。
中山先生、名護先生のセミナー内容についてはまた後日。

中山先生とは大阪SJCDで共に学び、同じ林門下生として切磋琢磨してきた仲間です。
この一連のセミナー受講は、私にとって**「学び直し」ではなく、「原点回帰」**でした。
――やはり、ここはホームグランドだな、と。
メガジェンインプラントとグラフトレスの親和性
現在、グラフトレスインプラントの思想を具現化するインプラントシステムの一つが、**メガジェン**です。
初期固定を重視したデザイン、骨質を選ばないスレッド形状。そしてデンサーバー。これが優れもの。

「骨を足す」のではなく、「骨に圧縮」する設計思想は、まさに林先生の哲学と重なります。
熊本・広島・ゴルフがつないだ縁
実は、私が改めてインプラントのホームグランドに戻ろうと思ったきっかけがあります。
それが、熊本の**前嶋先生**との再会でした。
広島で一緒にゴルフをした、あの何気ない一日。
インプラント談義とゴルフ談義が交差する中で、
「やっぱり、原点に戻るのも大事ですよ」
という一言が、胸に深く残りました。
前嶋先生はいまもメガジェンを使い続け、臨床で結果を出し続けている先生です。
タイでの思い出と、時代を超える縁
ふと記憶がよみがえります。
10数年前、林揚春先生、即時荷重研究会会長の**有賀先生**とともに訪れた、タイでのメガジェンインプラント学会。
熱気、議論、未来への期待。
あの頃描いていた「侵襲の少ないインプラント治療」が、今、現実になっています。

グラフトレスは「技術」ではなく「思想」
グラフトレスインプラントは、単なるテクニックではありません。
それは、
患者さんの身体を第一に考える姿勢
自然を尊重する臨床哲学
長期安定を見据えた判断力
そのすべてを含んだ思想です。
師から学び、仲間と語り、再び原点に立ち返る。
インプラント臨床は、学べば学ぶほど、シンプルな本質に近づいていく――そんなことを、今回の一連の経験で改めて実感しました。
これからも私は、林揚春先生の教えを胸に、
「最小侵襲で、最大の安心を」
そんなインプラント治療を、愚直に続けていきたいと思います。
(学びは終わらない。ゴルフのスコアと同じで、ですね。)

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きょうもご覧いただきありがとうございました!
患者さん向け補足コラム
グラフトレスインプラントって、何が違うの?
「インプラントは骨を足す治療ですよね?」
外来で、患者さんからよくいただく質問です。
実は――
必ずしも骨を足す必要はありません。
それがグラフトレスインプラントです。
グラフトレスとは「骨を足さない」インプラント
通常のインプラントでは、骨が足りない場合に
骨造成(GBR)
サイナスリフト
など、追加の外科処置が必要になることがあります。
一方、グラフトレスインプラントは、
👉 今ある骨の形・量・質を最大限に活かす治療法
です。
「足りないから足す」のではなく、
「どうすれば足さずに済むか」を徹底的に考えます。
患者さんにとってのメリット
グラフトレスインプラントには、次のような利点があります。
✅ 手術の侵襲が小さい
骨を足す処置がないため、
腫れが少ない
痛みが出にくい
- 感染の可能性がほとんどない(これが重要)
✅ 治療期間が短い
骨造成が必要な場合、治癒に数か月かかりますが、
グラフトレスでは治療期間を短縮できるケースがあります。
✅ 身体への負担が少ない
高血圧・糖尿病などの持病がある方、
ご高齢の方でも選択しやすい治療法です。
でも「誰でもできる」わけではありません
ここがとても大切なポイントです。
グラフトレスインプラントは、
簡単な治療ではありません。
骨の形を正確に読む力
CT診断の精度
インプラント埋入位置の判断
咬み合わせまで見据えた設計
これらすべてが揃って、はじめて安全に行えます。
つまり、
👉 術者の経験と哲学が強く問われる治療なのです。
「削らない・足さない」は、やさしさの選択
グラフトレスインプラントは、
最新技術というよりも、
患者さんの身体を尊重する考え方
から生まれた治療法です。
・必要以上に骨を削らない
・無理に骨を足さない
・できるだけ自然な状態を保つ
これは、
「歯を守る」「身体を守る」
という歯科医療の原点でもあります。
すべての方に最適とは限りません
正直にお伝えすると、
すべての患者さんがグラフトレスに向いているわけではありません。
骨の状態によっては、
骨造成が必要な方も確かにいらっしゃいます。
だからこそ大切なのは、
👉 複数の選択肢をきちんと説明してもらえること
👉 侵襲の少ない方法を真剣に検討してくれること
です。
最後に
グラフトレスインプラントは、
「派手な治療」ではありません。
でも、
患者さんの10年後・20年後を本気で考えた治療です。
もしインプラント治療で不安があれば、
「骨を足さない方法はありますか?」
そう一言、聞いてみてください。
そこから、
あなたに本当に合った治療が始まるかもしれません。