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北京人と上海人の“見えない壁”――私の友人歯科医師が語った「中国にはたくさんの国がある」という真実

みなさんこんにちは!お口の健康から全身の健康を創造する医療法人ユナイテッド理事長上原亮です。

5年位前にローマでとあるインプラントメーカーの国際学会に出席したとき、上海出身の歯科医師の友人が笑いながらこう言いました。

「日本のみなさんは、中国人は反日と思っているだろうが、上海人は日本人大好き。だけど、上海人は北京人が大嫌いなんだ。日本人は中国をひとつの国と思ってるけど、中国にはたくさんの国があるようなものなんだよ」

その言葉が、ずっと私の頭に残っていました。確かに彼は自身をChinese、from Chinaと言わず、Shanghainese,from Shanghai と言います。

たしかに「中国=ひとつの大きな国」と私たちは捉えがちですが、実際はその中に、まるでヨーロッパのように異なる文化・気質・価値観をもつ地域社会が存在しています。

その象徴が、「北京人」と「上海人」の関係です。上海人の友人は「アメリカも似たようなものですが(笑)、「USA」でまとまるでしょ?「China」でまとまるかな?(笑) 北京のく○やろうと(笑)」と冗談を言ってました(笑)


北京と上海 ―― 政治と経済のツートップ

北京は政治・行政・学問の中心。伝統と国家意識を重んじる都市。



一方の上海は、経済・商業・国際交流の最前線。個人主義と合理主義が息づく都市。

この2つの都市は、中国という国の両輪でありながら、まるで性格が正反対です。

  • 北京人:どこか「国家を背負う誇り」を持つ。

  • 上海人:「個を磨き、世界と勝負する誇り」を持つ。

それぞれのプライドが強いゆえに、互いに譲れない文化的な緊張感があるのです。

北京人からすれば「上海は金の匂いがする都会人」。

上海人からすれば「北京は古くて政治臭い中央の街」。

――そうした軽い“見下し合い”が、時に仲の悪さとして表面化するのです。


上海人の気質 ―― 国際都市のプライド

上海は欧米との貿易で発展した国際都市。外資企業も多く、世界の潮流に敏感です。

上海人は洗練され、ビジネス感覚に優れ、計算が早い。

その反面、「北京の人たちは古臭い」「私たちはもっとスマート」という意識が無意識にあるようです。

私の友人が語った「上海人は日本人大好き」という言葉の裏には、実は“文化の近さ”があります。

清潔・時間厳守・合理性・ブランド志向――これらは、どちらかといえば日本的価値観に近い。

だからこそ、上海の人たちは日本社会と親和性が高く、歯科医療や美容医療の分野でも、最も日本に理解のある地域です。


北京人の気質 ―― 伝統と国家の誇り

北京は、紫禁城・天安門・清王朝――まさに「歴史の都」。

ここでは、伝統・官僚制・文化的教養を重んじる価値観が根強く、

「国家の中心としての責任と誇り」が人々のアイデンティティに刻まれています。

そのため、上海の“商売気質”をどこか軽く見る傾向がある。

「国を動かすのはお金じゃなく、政治と思想だ」という意識が根底にあるのです。


「中国にはいくつもの国がある」

私の友人のこの言葉は、実に的を射ています。

広大な中国には、北京・上海・広州・成都・西安・雲南……それぞれに異なる“文明圏”が存在します。

言語も違えば、食文化も違い、気候も違う。

同じ国籍でありながら、世界観そのものが異なるのです。

たとえば、上海人の患者さんに接するとき、日本人の私たち歯科医師が驚くのは「美意識の高さ」と「サービスへの要求レベル」。

北京人の患者さんは逆に「論理性」と「国家・家族単位での意識」を重視します。

歯科という現場でも、その地域性は明確に表れます。


歯科医師として感じる「文化の違い」の力

異なる価値観をもつ人々が同じ空間にいるとき、摩擦は避けられません。

しかしその摩擦こそ、進化のエネルギーになります。

北京の重厚さ、上海のスピード感――両方の価値があるからこそ、中国は巨大な成長を遂げたのでしょう。

私の医院でも、多様な考え方を持つスタッフがいます。

価値観の違いを「壁」にせず、「多様性の推進力」に変えること。

それが、グローバル時代の歯科医院経営にも通じる教訓だと感じています。


結論:文化の違いを“誇り”に変える

北京人と上海人の間には、確かに「見えない壁」があります。

けれど、その違いは優劣ではなく、多様性という強さです。

友人の言葉を借りれば、

「中国にはたくさんの国がある」

だからこそ、互いに学び、刺激し合えるのです。

そしてこれは、中国だけでなく日本社会や医療現場にも言えること。

違いを怖れず、違いから学び、違いを誇りにする。

――その姿勢こそ、真の国際人・真の医療人のスタンスではないでしょうか。

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