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4スタンス理論から見る「体の使い方」──テニス・ゴルフ・介護、そして歯科へ

みなさんこんにちは!お口の健康から全身の健康を創造する医療法人ユナイテッド理事長上原亮です。

先日若林由美プロ(JLPGA)にレッスンをしていただきました。若林プロは4スタンス理論。逆算ゴルフを主宰されています。

いままでいろんなコーチのレッスン受けましたが、4スタンス理論は初めて。自分が高校時代にテニスで苦労したこととかすべて腑に落ちました。

 

■4スタンス理論とは

「4スタンス理論(4スタンスタイプ理論)」は、プロ野球トレーナーの廣戸聡一氏(※『4スタンス理論でタイプがわかる! 自分に合った動きを知ればパフォーマンスは劇的に変わる』廣戸聡一著、ベースボール・マガジン社, 2013)によって提唱された、人それぞれの体の使い方のタイプを4つに分類する理論です。

A1・A2・B1・B2という4タイプに分かれ、立ち方・軸の取り方・体重移動の仕方・力の出し方までが異なります。つまり、自分の体のタイプに合った動き方を知ることが、最高のパフォーマンスを生む鍵なのです。

この理論はもともとスポーツ選手のパフォーマンス向上に応用され、野球、テニス、ゴルフ、さらにはバレエや介護の分野まで広がっています。


■テニス時代の私と「タイプの違い」

私も学生時代はテニスに打ち込んでいましたが、当時は「体重移動をしっかり!」と何度も指導を受けました。

ところが、どうしても思うように動けず、ボールが浮いたり、リズムが合わなかったりして苦労したものです。

今になって4スタンス理論を学び、ようやく気づきました――

あの先生は「体重移動で打つタイプ(A1やB1)」、私は「軸で打つタイプ(A2)」だったのです。

体の使い方が違えば、同じ指導でも結果が逆になる。

これは歯科の臨床にも通じる、非常に深い示唆です。


■A2タイプ──タイガー・ウッズと同じスタンス

私は診断上、A2タイプです。

A2は「外側重心で、骨盤を水平に使いながら動く」タイプ。上下動よりも横の安定を重視し、力強く正確な動きができる反面、体重移動を強調されるとリズムが崩れやすい特徴があります。

驚くことに、世界のスーパースター タイガー・ウッズもA2タイプとされています(※廣戸聡一『カラダの使い方の新常識 4スタンス理論』講談社, 2010)。

ゴルフスイングであれだけブレない軸を保てるのは、まさにA2の理想形。

日本人にはA2が比較的少ないと言われており、私自身これまで多くのレッスンを受ける中で「違和感」を感じてきた理由が、ようやく理論的に説明できました。

「先生によって言うことが違う」――それは、自分のタイプと指導者のタイプが違うからなのです。


■ゴルフ界での応用例

4スタンス理論は今、ゴルフ界で特に注目されています。

松山英樹選手はA1、石川遼選手はB2タイプといわれ、それぞれのスイングの特徴(体の回し方・フィニッシュの形・アドレスの安定性)にその差が表れています。

また、女子プロでは渋野日向子選手がB1、稲見萌寧選手がA1とされ、トップ選手たちも自分の「体のクセ」を理解してトレーニングしています。

私もA2として、最近は「縦の動きよりも横の安定」「足裏の外側でバランスを取る」ことを意識してスイングすると、まるでクラブが勝手に振り抜けるような感覚になります。

これはまさに「無理をしない動き=自然体の強さ」。歯科医療でも、無理のない姿勢が長期的な安定を生みます。


■介護・医療の現場でも

4スタンス理論は、スポーツだけでなく介護職員の身体介助動作の指導にも応用されています。

たとえば、Aタイプは「引く」「支える」動作が得意、Bタイプは「押す」「乗せる」動作が得意とされます。

介護の現場では、職員のタイプを知ることで、腰痛を防ぎながら患者さんを安全に支える方法が学べるのです(※参考:日本介護予防協会資料 2021)。

この発想を歯科医療に転用すると――

歯科衛生士がスケーリングをする姿勢、歯科医師が顕微鏡下で施術を行う姿勢も、4スタンスタイプによって最適解が違うかもしれません。


■歯科における可能性

現時点では、歯科分野で4スタンス理論を本格的に応用した研究はほとんどありません。

しかし、「咬合(かみ合わせ)と姿勢」「顎運動と重心バランス」の関係を研究する動きはすでに存在します。

将来的には、患者の体のタイプに合わせた咬合調整やリハビリテーションが可能になるかもしれません。

例えば、A2タイプの患者は安定を重視した顎位、B1タイプは動きの自由度を重視する顎位――そんな新しい診療の未来も見えてきます。


■まとめ

4スタンス理論は「体の使い方に正解はひとつではない」という哲学を教えてくれます。

テニスで苦労した昔の私も、ゴルフで納得できた今も、同じ身体を持っていながら指導の方向性が合うかどうかで結果が大きく変わる。

この理論は、スポーツだけでなく医療にも通じる「個性の尊重」の科学だと感じます。

いつか歯科の世界でも、姿勢や噛み合わせ、リハビリテーションを4スタンス理論で解析する日が来るかもしれません。


■参考文献

  1. 廣戸聡一『4スタンス理論でタイプがわかる!』ベースボール・マガジン社, 2013.

  2. 廣戸聡一『カラダの使い方の新常識 4スタンス理論』講談社, 2010.

  3. 日本介護予防協会『介護現場における4スタンス理論活用報告』2021.

  4. 📚 文献・引用(ネット上)

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