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「KISSエース・フレーリー逝去に寄せて:転倒・脳出血と“生きる力” 訪問診療で支えるうえはら歯科の挑戦」

みなさんこんにちは。

「お口の健康から全身の健康を創造する」

医療法人ユナイテッドうえはら歯科の上原亮です。


■ エース・フレーリーの訃報に寄せて

アメリカの伝説的ハードロックバンド「KISS」の初代ギタリスト、エース・フレーリーさんが亡くなりました。74歳。



私たち50代・60代のロック世代にとって、KISSはまさに青春の象徴でした。

1977年の日本武道館ライブをテレビで観たときの衝撃はいまでも忘れられません。

白と黒のペイント、火を噴くベース、そしてギターを天に掲げる姿。

「スペース・エース」のシルバーの星がライトに反射し、まるで銀河の中にいるようなステージ演出。

あの姿に憧れてギターを始めた人も多かったでしょう。

実は私も学生時代、広島サンプラザホールでの日本公演に行ったひとりです。

耳が痛くなるほどの大音量と観客の熱狂。

あの夜ほど「生きている」ことを全身で感じた時間はそう多くありません。


■ 転倒と脳出血 —— 医学的な側面から

報道によると、エースさんはスタジオで転倒し、脳出血を起こされたとのこと。

転倒は高齢者にとって“命を左右するイベント”です。

特に70歳を過ぎると、血管の弾力が低下し、頭を打っただけでも出血が起こることがあります。

急性硬膜蓋血腫(慶応大学脳神経外科より)

 

脳出血の後遺症としては、

・片麻痺(身体の片側が動かない)

・構音障害(言葉が出にくい)

・嚥下障害(飲み込みにくい)

などがあり、生活の質に大きな影響を与えます。脳卒中後AIを用いたうつの研究(広島大学脳神経外科)

そして、この「飲み込み」の問題は、実は歯科とも深く関係しています。

脳血管障害の後にお口の清潔が保てない状態が続くと、誤嚥性肺炎のリスクが一気に高まります。

誤嚥とは、食べ物や唾液が気管に入ってしまう状態。

これを防ぐには、歯科の介入——つまり口腔ケアと入れ歯調整が欠かせません。


■ 訪問診療で支える「生きる力」

うえはら歯科では、脳梗塞や脳出血の後遺症を持つ方々を、訪問診療で支えています。

当院の理念は「最期まで診る」。

入れ歯の調整や口腔ケアを通じて、

「食べる楽しみ」を取り戻し、

「話す喜び」を取り戻す。

それが私たちの使命です。

たとえ寝たきりになっても、笑顔で「先生、今日もありがとう」と言われる瞬間は、何よりの報酬です。

歯科医療は“生きる力”そのものを支える仕事。

訪問診療はその原点に立ち返る医療だと感じます。


■ 広大口腔外科との絆と若い力

私の出身は広島大学口腔外科

その医局の後輩たちは、大学で全身疾患や外科的治療を学びながら、当院で臨床の現場を経験しています。

大学では、糖尿病・心疾患・抗血栓薬の管理など、医科との連携を学び、

一方、当院では在宅や高齢者診療の現場を通じて「生きた医療」を実践している。

いわば、大学で理論を学び、現場で心を磨くという形です。

後輩たちが患者さんの家で実際に診療を行い、

「先生、あの患者さん、昨日より発音がはっきりしてましたよ」

と報告してくれる姿を見ると、本当に頼もしく思います。

教育とは、知識だけでなく“心を伝えること”。

大学と地域の橋渡しを担うことが、私のもう一つの使命だと感じています。


■ ハローワークから迎えた訪問専門衛生士

近年、うえはら歯科では訪問診療専門の歯科衛生士を新たに採用しました。

驚かれるかもしれませんが、その出会いのきっかけはハローワーク

求人票を見て「訪問歯科に興味があります」と応募してくれた方でした。

彼女はさまざまの経験を持ち、「口から食べることを支えたい」という強い想いを持っていました。

今では在宅チームの中心として、患者さんの笑顔を取り戻すために奔走しています。

歯科衛生士の仕事は、単なる“クリーニング”ではなく、

命を守る“ケアの最前線”。

口の中を清潔に保つことで、肺炎を防ぎ、栄養を支え、家族の時間を延ばすことができる。

まさに「生活を守る仕事」なのです。


■ ロックも医療も“続ける力”

KISSが世界中で愛された理由は、奇抜なメイクでも爆音でもなく、

**「続ける強さ」**にありました。

何度も解散と再結成を繰り返しながらも、半世紀にわたってステージに立ち続けた。

その姿に人々は勇気をもらいました。

うえはら歯科もまた、“続ける力”を大切にしています。

20年近く勤務してくれているベテラン衛生士、

産休育休を経て戻ってきたスタッフ、

そして新しく加わった若手衛生士たち。

世代を超えて一つのチームとして支え合う姿は、まるでロックバンドそのものです。


■ 終わりに —— スペース・エースの魂を胸に

エース・フレーリーが最後までギターを手放さなかったように、

私たち医療従事者もまた、患者さんの人生に最後まで寄り添う“ロック魂”を忘れてはいけません。

派手なメイクも、ステージの照明もなくても、

静かな情熱で人の命を照らすことができる。

それが、私たちが奏でる「医療のロック」です。

転倒や脳出血を経ても、生きることをあきらめない。

支える家族や医療者も、あきらめない。

その姿こそが、本当のロックンロールだと思います。


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