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「Dentistry is a Work of Love ― 内村鑑三とゴルディロックスが教える中庸の美学」

ゴルディロックスの童話から学ぶ、“ちょうどいい”という幸福

──Dentistry is a Work of LOVE──内村鑑三

1. 森の中の少女と「ちょうどいい」世界

昔々、森の奥深くに「ゴルディロックス」という金髪の少女がいました。

彼女がある日、森の中で迷い、三匹のクマの家に入ってしまう──。

そこで見つけた三つのスープ。ひとつは熱すぎ、ひとつは冷たすぎ、

そして真ん中のひとつが「ちょうどいい」。

椅子もベッドも同じでした。

柔らかすぎず、硬すぎず、

彼女が心地よいと感じたのは「中庸の選択」だったのです。

この寓話は、単なる子どもの物語ではありません。

私たちが日々直面する“バランス”の哲学そのものです。

現代経済でも「ゴルディロックス相場」という言葉があります。

景気が過熱しすぎず、かといって冷え込みすぎてもいない。

インフレもデフレも避けながら、穏やかに成長する理想の状態──

これもまた、「ちょうどいい」世界の比喩なのです。

2. ゴルディロックス相場とパターの共通点

 

実は私の愛用パターの名も「ゴルディロックス・パター」。

最初にその名前を聞いたときは、「かわいい響きだな」と思った程度でした。

しかし語源を調べるうちに、

その設計思想に、まさに“森の少女”の哲学が宿っていると知ったのです。

このパターの特徴は「トルクゼロ設計」。

ヘッドの回転モーメントがほぼゼロで、過剰な操作をしなくても

自然にスクエアイン・スクエアアウトのストロークができる。

──つまり、“力まないで、真ん中を通す”クラブ。

強く打ちすぎても、弱く打ちすぎてもダメ。

「ちょうどいい」テンポ、「ちょうどいい」ストロークで打つ。

それが最も再現性の高い、安定したパッティングを生むのです。

経済もゴルフも、

そして医療も──結局は“バランス”が命。

派手な技術や過剰な投資に走らず、

手を抜くわけでもない。

自然体の中に“最善”があるという真理を、

私はこのパターから学びました。

3. 「足るを知る」という東洋の智慧

東洋思想の中に、「知足(ちそく)」という言葉があります。

老子の『道徳経』にはこうあります。

「知足者は富む(足るを知る者は富む)」

現代は、どれだけ多くを持つか、どれだけ速く成長するかが

“成功”と呼ばれる時代です。

しかし、足るを知る心こそが、

本当の意味での豊かさをもたらします。

それはまさにゴルディロックスの世界。

「熱すぎず、冷たすぎず」。

過剰な治療も、過小な放置もせず、

患者さんに“ちょうどいい医療”を提供する。

私は歯科医師として、日々診療台の前に立つたびに思います。

インプラントも、矯正も、訪問診療も──

結局は「患者さんにとって最も幸福なバランス」を見極める仕事だと。

4. 医療も相場も、そして人生も「中庸の美学」

「ゴルディロックス相場」は永遠には続きません。

景気が過熱すれば金利が上がり、

冷え込めば政策が刺激策を打ち出す。

世界経済は常に振り子のように動いています。

それでも人間が目指すべきは、

その振り子の中心にある“穏やかなリズム”でしょう。

診療も同じです。

忙しすぎれば、スタッフも息が切れる。

緩みすぎれば、医院の活気が失われる。

経営者として、その中庸を探ることが私の責務です。

夜、ゴルフ練習場でパターを構えながら、

私は無意識に「足るを知る」という言葉を思い出します。

スコアも、人も、医院も──

完璧を求めるほど歪みが生まれる。

それよりも、今日一日、誠実に診療し、

患者さんの笑顔に“ちょうどいい幸福”を感じること。

それが、私の“Dentistry is  LOVE”という信条の源泉です。

5. 結論:「ゴルディロックスパター」と共にある哲学

 

今では、ゴルディロックス・パターを握るたびに

私はあの童話を思い出します。

森の中で、温度と柔らかさの“ちょうどいい”を見つけた少女。

そして、現代の私たちが、

経済でも医療でも「足るを知る」ことの難しさに向き合っていることを。

道具に哲学を見出すとき、

それはもはや単なる器具ではなく、“師”になる。

このパターは私にとって、

「中庸を生きる」という姿勢を教えてくれた師匠です。

歯科医療もまた、愛の実践。

“Dentistry is a Work of Love.”

― 内村鑑三(1926年・中軽井沢にて、歯科治療を受けた際の言葉)

「歯科医術たるは、愛の御業なり」

この言葉を知ったとき、私は深く頷きました。

歯科とは、人の痛みを取り除く“愛の技術”であり、

そしてその中心には「足るを知る」心がある。

今日もまた、診療室の片隅で、

ゴルディロックス・パターを優しく撫でながら、

私は思います。

「ちょうどいい」は、美しい。

そしてそれは、愛そのものだ。

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