根管治療

経験と勘に頼っていた従来法ではなく、確実に目で確認する、再発しない「可視化」根管治療の実践

当院では、原理原則に則り、基本に忠実な「根管治療(根っこの治療・神経の治療)」を実施
しております。

虫歯が進行すると、歯の神経(歯髄)まで達します。こうなってしまうと虫歯菌が感染した神経を取り除き、根管(神経が入っている管)を綺麗に清掃してからかぶせ物をする治療を行います。

一見簡単な処置のように思えますが、「根管を綺麗に清掃する作業」は非常に困難を極めます。なぜなら、根管は非常に複雑に入り組んでおり、完璧に清掃を行わなければ、「痛み」「腫れ」などの原因となり、「根尖病巣」という病気にもなるためです。下の画像ですが、「黒い部分」が神経の入っている管であり、このすべてを綺麗に清掃する必要があります。

従来までは、「肉眼」でこの治療をしていました。

「肉眼」ではこの細かい部分をすべて確認しながら完璧に作業することは不可能です。つまり、従来法の根管治療とは「勘」や「経験」に頼った治療で、時には再治療そして「抜歯」の選択を迫られることも多々ありました。

しかし、高倍率歯科用ルーペ(拡大鏡)やCT(三次元立体画像撮影装)を利用することで、今まで見えなかったものが見えるようになり、しっかり目で確認しながらの治療が可能になります。当院で実践している「可視化」根管治療をご紹介いたします。

精密根管治療を可視化して行います

当院で実施している「可視化」根管治療は「再発しにくい」ことが最大の特徴です。

従来式の根管治療の成功率は50%と言われています。当院で行う根管治療の成功率は約90%となります。また、アメリカの大学でとられた統計では下記のようなデータが出ています。

根管治療の精度 かぶせ物の精度 成功率
パターン1 高い精密度 自費のかぶせ物 91.4%
パターン2 中度の精密度 自費のかぶせ物 67.6%
パターン3 高い精密度 保険のかぶせ物 44.1%
パターン4 低い精密度 保険のかぶせ物 18.1%

このデータからは、精密な根管治療を行い、自費の被せ物の治療を行った場合の成功率は91%とまずまず高いですが、根管治療の精度が低く、かぶせ物も保険の治療であれば、80%以上の確立で再発するというデータが出ているのです。

当院では約90%の確率で再発させない根管治療を実施しています。それぞれ特徴をご紹介いたします。

精密根管治療の特徴
治療制度を飛躍的に高めるルーペの使用

高倍率ルーペとは、治療部位を高倍率で拡大する道具です。根管治療においては、どれだけしっかりと問題部位を確認できるかが成功の成否を分けますので、成功率を上げるためには絶対に欠かすことができない機材になります。

下の画像が「肉眼」で見た状態と、「高倍率ルーペ」で見た状態の視野になります。どちらの方が精度の高い治療ができるかは一目瞭然ですね。
当院で高倍率ルーペを活用することにより、「抜歯」という最悪のシナリオを避けられる可能性が飛躍的に高まりました。

当院で処置した症例をご紹介します。抜歯の可能性が高い歯でも抜歯せずに対処した症例も多数あります。

黒い影が出ている部分が問題の個所で(根尖病巣)、治療後はこの影がなくなっているのが見て取れると思います。

一般のレントゲンでは確認できない部位までも可視化

CTは高倍率ルーペ同様、治療部位を可視化させる最新機器です。通常のレントゲン(デンタルエックス線写真)でも大まかには判断可能ですが、CTを用いる事で、デンタルエックス線写真では発見できないような微細な病変も発見することが出来ます。

下の画像はCTで撮影したものです。

赤丸がついている部分が根尖病巣と呼ばれる問題が出ている部分です。レントゲンでも根尖病巣の有無は判断可能(ぼんやり黒く映ります)ですが、CTを利用することでレントゲンでは見えない部分も可視化することができ、より一層精密な診査・診断、そして治療が可能になります。

再治療を回避するための「ZOO」の活用

根管治療に必要な道具として「ラバーダム」というものがあります。当院ではラバーダムと同じ効果が得られるZOOというものを利用しています。これは根管治療を成功させるためには必須のものであり、かつ、実施している医院さんが少ないのが現状なので、情報提供の意味でお伝えします。

ZOOとは、口腔内の唾液や細菌による治療部位への感染を防止する道具です。これを使用することで、様々な口腔内細菌が根管に侵入するのを防ぎ、無菌的な処置を行うことが可能になります。逆を言えば、ZOOを利用しないで行う根管治療は細菌感染の可能性が高まり、再治療の原因ともなります。

感染リスクを抑える垂直加圧方式

神経の管の中にある細菌を綺麗に取り除いた後は、根管の先に薬を充填していきます。このとき、薬を充填する方法には、大きく分けて2つの方法があります。「側方加圧方式」と「垂直加圧方式」です。

側方加圧方式ですと「個体」の状態で薬を詰めていきますので、どうしても根管内に「隙間」が生じやすくなり、その部分から再感染の可能性が高まります。

垂直加圧方式ですと「半固体」の状態で薬を詰め、また、垂直に薬を詰めていきますので、「隙間」が生じにくく、再感染リスクを低くすることができますので、当院では垂直加圧方式を採用しています。

感染リスクを抑える抗菌性根充性

根管治療の最後の仕上げとして「根管充填」というものがあり、これは、歯の神経を取ったことにより空洞になった根管内を、緊密に塞ぐことを指します。

この隙間を完全に塞ぐことができなければ、これが原因となり数年が経過した時に再び感染してしまうことがあります。一般的には「ガッタパーチャ」と呼ばれる、ゴムのようなもので隙間を塞ぐのですが、根管内は複雑な構造になっていますので、隙間を残してしまうことがあるため、再治療を行うケースが多いのです。 そこで当院では再発防止のために「抗菌性充填法」というやり方を実施しています。まず特殊な薬剤を用いて、根っこの中から根っこの先までをしっかり除菌します。使用する薬剤は殺菌力が高く、非常に浸透性のあるものです。 そして半永久的に殺菌成分を放出し、体には無害な詰め物(充填剤)をします。この充填剤は、非常に密閉性が高く、歯の表面に食い込んで固まるので、菌が繁殖するスペースがなくなります。 その上から非常に抗菌性が強く、強度もあるセメントで固めてゆき、土台作りをします。あとは、かぶせ物をして終了です(かぶせ物は保険外となります)。

高度な技術を要する
「歯根端切除術」「再植術」の実施

通常の根管治療を行っても症状が改善しない場合は、「抜歯」の選択が一般的です。しかし当院では「歯根端切除術」や「再植術」を実施することで、可能な限り歯を残す治療が可能となっています。

歯根端切除術

神経を取った後の治療(根管治療)がうまくいかなかった場合、根っこの先っぽの方に「膿の袋」ができる場合があります。膿の袋があまりに大きい場合には抜歯になりますが、そうでない場合は、外科的に根尖(根の先っぽ)を切断すると同時に膿の袋を摘出する処置を行います。これを歯根端切除術と言います。

再植術

再植術とは、問題のある歯を一旦「抜歯」し、口腔外でしっかり処置をし、再度口の中に戻す術式です。お口の中での治療では治療する際様々な制限がありますが、一旦抜歯すればそのような制限がなくなり、360°自由な視点で問題個所の処置が可能になります。

根管治療で救うことの出来ない歯について

ここまで紹介させて頂いた器具や治療法のすべては、「根管をきれいにし、細菌を取り除く」ひいては「根の先の病気を治し、腫れや痛みが出る事を予防し、抜歯を防ぎ、歯を残す。」という、ごく単純な目的のために当院が行っているものです。残念ながら上記の治療を実践しても、残すことの出来ない歯、というものも存在します。

  • 根尖病変の原因が、根管の外部に存在するもの
    (根尖外バイオフィルムの存在)
  • 歯が広範囲にわたって割れているもの(歯冠、歯根破折)
  • 虫歯が深く、虫歯を取り除くと
    被せものを被せるだけの歯が残らないもの

歯を残すための努力は怠るべきではありませんが、治療をいくら重ねても残せない歯を治療し続けるというのは、患者様にとって余分な負担を強いる行為であると考えます。これらのケースでは、しっかりした診査診断を実施し、出来るだけ早期の段階で患者様に事実をお伝えし、手術や抜歯、その後の治療について御提案できるように努めています。

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